2026.10.07 WED RSS

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カスハラ対策、10月1日から事業主の義務に 人を雇うお店が決めておきたい10の措置

小野寺 葵
カスハラ対策、10月1日から事業主の義務に 人を雇うお店が決めておきたい10の措置

お客さんからの度を越えた要求や暴言から、働く人を守る対策が、2026年10月1日から事業主の義務になります。根拠は、2025年6月11日に公布された改正労働施策総合推進法(令和7年法律第63号)。厚生労働省は2026年2月26日に、事業主が講ずべき措置を具体的に示した「カスタマーハラスメント防止指針」(令和8年厚生労働省告示第51号)を公布しています。

「カスハラ」とは何を指すのか

指針では、次の3つをすべて満たすものをカスタマーハラスメントとしています。

  1. 顧客等の言動であって
  2. 働く人の業務の性質などに照らして、社会通念上許容される範囲を超えたものにより
  3. 働く人の就業環境が害されるもの

電話やSNSなどインターネット上の言動も含まれます。「社会通念上許容される範囲を超える」例として、厚生労働省のリーフレットは、理由のない要求、契約で想定するサービスを著しく超える要求、不当な損害賠償要求のほか、暴行・脅迫・土下座の強要・威圧的な言動・居座りなどを挙げています。

一方で、お客さんからの苦情のすべてがカスハラになるわけではありません。社会通念上許容される範囲の申し入れは正当なクレームです。障害のある人が不当な差別的取扱いをしないよう求めることや、配慮を求める意思を伝えること自体も、カスハラには当たらないとされています。

事業主が必ず講じる10の措置

指針は、事業主が講ずべき措置を10項目挙げています。厚生労働省の通達では、これらは「企業の規模や職場の状況の如何を問わず必ず講じなければならないもの」とされています。

  1. カスハラには毅然と対応し、働く人を守るという方針を決めて周知する
  2. カスハラの内容と、あらかじめ決めた対処の方法を周知する
  3. 相談窓口を決めて周知する
  4. 窓口の担当者が適切に対応できるようにする
  5. 事実関係を迅速・正確に確認する
  6. 被害を受けた人への配慮を行う
  7. 再発防止の措置をとる
  8. 特に悪質なカスハラへの対処方針を決めて周知し、実行できる体制をつくる
  9. 相談した人などのプライバシーを守り、そのことを周知する
  10. 相談したことなどを理由に不利益な扱いをしないと定め、周知する

措置の方法は、規模や職場の状況に応じて事業主が選べるとされ、指針の具体例は「限定列挙ではない」と明記されています。

お店として、いまできること/確かめたいこと

1. 「その場でどうするか」を決めて、スタッフに伝える
指針は対処の例として、責任者にすぐ報告して指示を仰ぐ、できる限り一人で対応させない、必要なら責任者が代わって対応する、十分説明しても要求が続く場合は一定時間で退店を求める・電話を切る、犯罪に当たり得る言動は警察に通報する、などを挙げています。お店の実情に合わせて決め、アルバイトを含めて伝えておきます。

2. 相談先を決める
相談窓口は「あらかじめ定め、労働者に周知する」ことが求められています(措置3)。困ったとき誰に言えばいいかが、スタッフ全員に伝わっている状態にしておきます。

3. 悪質なケースの線引き
指針は特に悪質な場合の対処例として、警告文、法令の範囲内での販売・サービス提供の停止、出入り禁止などを示しています。どこまでをお店の方針とするかは、業種の決まりにも注意して決める必要があります。

4. 録音・録画をするなら個人情報の扱いも
やり取りの録音・録画も例に挙がっていますが、個人情報保護法などを守って取り扱うことが条件です。

対策を考える際は、消費者の権利や、障害者差別解消法の定め(不当な差別的取扱いの禁止・合理的配慮の提供)に留意する必要があるとされています。制度についての問い合わせ先は、お近くの都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)です。


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