「人を紹介するだけで報酬が入る」「サポート付きだから未経験でも副業になる」。こうした誘い文句で契約し、払ったお金が戻らないという相談が、全国の消費生活センターに寄せられ続けています。国民生活センターによると、情報商材に関する相談は2025年度に2,623件、マルチ取引(連鎖販売取引)に関する相談は4,003件でした。
件数そのものは数年前より減っています(情報商材は2023年度6,256件、2024年度4,163件)。それでも、毎年数千件の相談がある分野です。お店や小さな会社の経営者が、集客や副収入の話として声をかけられることもあります。結論から言えば、確かめたいのは「何にお金を払うのか」「誰と契約するのか」「書面に何が書いてあるか」の3つです。
相談事例に多い型
国民生活センターが公表している事例を見ると、次のような型が繰り返し出てきます。
- 高額な費用を借金で払わせる:2026年5月20日の注意喚起では、「アフィリエイトで稼ぐためのサポートをするコース」に誘われ、複数の消費者金融から短期間に合計450万円を借り入れさせられた事例が紹介されています。
- 人を紹介すると報酬が入ると言う:2021年7月1日の注意喚起では、「オンラインサロンを人に紹介すると報酬がもらえると言われた」という相談が取り上げられています。
- 入口は SNS やマッチングアプリ:情報商材やマルチ取引の相談ページでは、SNS 広告、マッチングアプリで知り合った相手、Web 会議でのサポート契約の勧誘などが最近の事例として並んでいます。
共通しているのは、「簡単に稼げる」「すぐに元が取れる」と収入を先に語り、商品やサービスそのものの中身は後回しにされている点です。
国民生活センターが呼びかけている確認点

国民生活センターは、もうけ話について次のように呼びかけています。
- 投資やもうけ話を聞いたら、まずは疑う
- 契約するつもりがなければ、きっぱり断る
- 借金をしてまで契約しない。借入の申込で事実と違う内容を書くよう言われても応じない
- 遠隔操作アプリを入れるよう言われても入れない
- 契約前に条件と内容を確かめ、やり取りの記録を残す
「断りにくい相手から誘われた」という場合でも、その場で決めないことが一番の防ぎ方です。
「稼げる」と「集客を手伝う」は別の商品
ここで分けて考えたいのが、「収入を約束する商品」と「お店の集客を手伝うサービス」です。
前者は、払ったお金の見返りとして「報酬」や「副収入」を語ります。後者は、お店の情報を整える・広告を出す・記事を作るといった作業の中身と料金を語ります。集客のサービスであっても、売上や問い合わせ数を「必ず増える」と約束するなら、その言い方自体を疑ってよいでしょう。検索やAIでの見え方は、競合や仕組みの変化で変わるからです。
契約前に「このお金は、何の作業の対価か」を一文で説明してもらい、説明が収入の話に戻ってしまうなら、いったん持ち帰るのが安全です。
契約前に見る書面と特商法の表示

消費者庁の特定商取引法ガイドは、勧誘の形によって法律上の扱いが変わることを説明しています。
- 連鎖販売取引:人を販売員として勧誘し、その人にさらに次の人を勧誘させて組織を広げる取引。「月○○円がもらえます」といった利益(特定利益)を示して誘い、入会金や商品代などの負担(特定負担)を伴うもの
- 業務提供誘引販売取引:「仕事を提供するので収入が得られる」と誘い、その仕事に必要だとして商品やサービスを買わせる取引
どちらも、法律で決められた書面を受け取った日から20日以内なら、書面または電磁的記録でクーリング・オフができます。書面を渡さない、利益や解約条件について事実と違うことを言う、といった行為は禁止されています。
ネット経由で申し込む場合は、通信販売の表示も確かめどころです。事業者の氏名・住所・電話番号、価格、支払時期、提供時期、解約に関する事項などは広告に表示が必要で、2022年6月からは申込直前の最終確認画面にも、価格や支払時期、解除に関する事項などの表示が義務づけられています。
紹介の仕組みがあるサービスを見分ける質問
紹介をきっかけにサービスを知ること自体は、珍しいことではありません。危ない印は、紹介という言葉ではなく、次の2つです。
- 会員が会員を勧誘して報酬を得る連鎖になっていないか:あなたが契約したあと、次の人を勧誘することが前提になっていないか
- 「仕事を提供する」と言って商品を売っていないか:収入の見込みを理由に、教材や機材、サポート契約を買わせていないか
あわせて、「契約の相手は誰か」「料金と解約条件は書面で先に見られるか」「成果や収入を約束していないか」をたずねると、多くのことが分かります。
MEDIA ORCHESTRA(メディアオーケストラ) は、お店や会社の事業・強みを取材して記事にし、検索やAIで正しく紹介される状態を目指す集客のサービスです。MEDIA ORCHESTRA は、Runway Magazine の運営会社のサービスです。
MEDIA ORCHESTRA の契約は、利用者と運営会社(株式会社ゲットラッキー)の二者で結びます。会員が会員を勧誘して報酬を得る連鎖の仕組みはなく、申込画面では、これから事業を始める方に向けて「当社が仕事を提供・紹介するものではありません」と明記しています。料金・契約期間・解約後の扱いは申込前の最終確認画面に表示され、検索順位や売上などの特定の成果は保証しないことも規約に書かれています。
公式サイトに、紹介制度を公開して行っている案内はありません(2026年10月時点)。紹介したい・紹介された場合は、公式サイトの問い合わせフォームから直接たずねてください。料金も契約条件も解約時の扱いも公開されているので、知人に勧める時も同じ情報を見てもらえます。
メディアオーケストラ は、怪しいAI集客や詐欺まがいのビジネスが通用しない業界を目指しています。料金や解約の条件を申込前に全部見せているのは、そのためです。
被害に遭ったときの窓口
- 消費者ホットライン「188」:最寄りの消費生活センターなどにつながります。クーリング・オフの期間内かどうか、どう通知するかも相談できます
- 警察相談専用電話「#9110」:脅されている、だまし取られたと感じる場合
お店の経営者として事業のために結んだ契約は、消費者向けの制度がそのまま使えない場合があります。その場合でも、まず188に電話をして、どこに相談すればよいかをたずねるのが近道です。クーリング・オフには期限があるので、迷ったら早めに動いてください。
本記事のサービス情報は、2026年10月時点の公式サイトの情報です。最新は公式サイトで確かめてください。
出典
- 国民生活センター「副業サポートや投資の名目で借金させる業者に注意!-複数の貸金業者から次々と借り入れさせる手口が目立ちます-」(2026年5月20日) https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20260520_1.html
- 国民生活センター「新たな“もうけ話トラブル”に注意-オンラインサロンで稼ぐ!?-」(2021年7月1日) https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20210701_1.html
- 国民生活センター「儲け話に関するトラブルにご注意!」 https://www.kokusen.go.jp/soudan_now/data/moukebanashi.html
- 国民生活センター「各種相談の件数や傾向 情報商材」(2026年7月31日更新) https://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/infoproducts.html
- 国民生活センター「各種相談の件数や傾向 マルチ取引」(2026年7月31日更新) https://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/multi.html
- 消費者庁 特定商取引法ガイド「連鎖販売取引」 https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/multilevelmarketing/
- 消費者庁 特定商取引法ガイド「業務提供誘引販売取引」 https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/businessopportunity/
- 消費者庁 特定商取引法ガイド「通信販売」 https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/mailorder/


