2026.10.07 WED RSS

トップ › 制度・政策

制度・政策

業務改善助成金、2026年度は「50円以上」の賃上げから 申請は最低賃金の発効日の前日まで

早瀬 透
業務改善助成金、2026年度は「50円以上」の賃上げから 申請は最低賃金の発効日の前日まで

お店で働く人の時給を上げ、あわせてPOSレジなどの設備を入れると、その費用の一部が国から助成される「業務改善助成金」。厚生労働省は2026年度(令和8年度)分の申請を9月1日から受け付けています。
注意したいのは申請期限です。申請できるのは、お店がある都道府県の新しい最低賃金が発効する日の前日まで(遅くとも11月30日まで)。東京・大阪・愛知・北海道など、10月1日に最低賃金が変わる15都道府県は、9月30日が期限です(厚生労働省も9月24日に「都道府県によっては9月末が申請期限になります」と呼びかけています)。発効日が10月2日以降の地域は、その前日まで申請できます。 自分の都道府県の発効日を先に確かめておきましょう。

制度のしくみ

事業場(お店)で最も低い時給=「事業場内最低賃金」を一定額以上引き上げ、生産性を上げるための設備投資などを行った場合に、その費用の一部が助成されます。

  • 対象:中小企業・小規模事業者。小売業は資本金5,000万円以下または常時雇う労働者50人以下、サービス業は資本金5,000万円以下または100人以下
  • 事業場内最低賃金が、2026年度の新しい地域別最低賃金を下回っていること
  • 申請は事業所(お店)ごと。同じ事業所の申請は年度内1回まで
  • 対象経費の例:POSレジの導入、顧客管理情報のシステム化、国家資格者による業務フローの見直しなど
  • 事業完了期限:2027年1月31日(交付決定を受けた年度の1月31日)

助成額は「設備投資などの費用×助成率」と「助成上限額」のうち、安い方です。助成率は、引上げ前の事業場内最低賃金が1,050円未満なら4/5、1,050円以上なら3/4です。

2026年度のコースと上限額

コースは、時給を50円・70円・90円以上引き上げる3つになりました。上限額は、引き上げる人数と事業場の規模で変わります(抜粋。6〜7人の区分もあります)。

コース 1人 2〜3人 4〜5人 8人以上
50円 30万円(40万円) 40万円(70万円) 70万円 110万円
70円 40万円(50万円) 50万円(100万円) 130万円 230万円
90円 90万円(100万円) 150万円(240万円) 270万円 450万円

( )内は事業場規模30人未満の事業者の上限額です。このほか、事業場内最低賃金が1,050円未満の事業者や、原材料費の高騰などで直近6か月平均の利益率が前年同期より3%ポイント以上下がった事業者(特例事業者)は、10人以上を引き上げる場合に上限が最大600万円(90円コース)まで広がります。

2025年度からの主な変更点

  • コースを30円・45円・60円・90円の4つから、50円・70円・90円の3つに再編
  • 助成率4/5になる基準を、事業場内最低賃金「1,000円未満」から「1,050円未満」に
  • 賃上げは申請より後に行う必要があり、賃上げを済ませてからの申請はできなくなった
  • 引き上げる対象は、雇用保険に入っている人(週20時間以上)に
  • 自動車(特殊用途自動車を除く)は対象経費から外れた

お店として、いまできること/確かめたいこと

  • 自分の都道府県の発効日を確かめる。10月以降に発効する地域でも、期限は発効日の前日です。12月1日・2日発効の岩手・熊本・沖縄は11月30日が期限になります
  • 賃上げは申請後、発効日の前日までに。引上げ後の金額を就業規則などに定める必要があり、何回かに分けた引上げは認められません
  • 設備は交付決定の後に買う。交付決定前に導入した設備は対象になりません
  • 予算の範囲内での交付のため、期間内でも募集が終わる場合があります

厚生労働省は、国や労働局から委託を受けたと装って助成金の活用を勧誘する事業者がいるとして、注意を呼びかけています。自分のお店が対象になるか、どのコースが合うかは、業務改善助成金コールセンター(0120-366-440、平日9時〜17時)か、管轄の都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に確かめるのが確実です。


出典